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  大山 果杏奈   馬目 友香   遠藤 佳貴  

ボックス背景上
  • がん看護専門看護師
    緩和ケア病棟 副師長 高野 純子
  • がん看護専門看護師
    林 ゑり子
  • 救急看護認定看護師 ICU師長
    吉田 友美
  • がん化学療法看護認定看護師
    兼 外来副師長 三橋 由貴
  • 緩和ケア認定看護師 外来
    平本 華恵
  • 感染管理認定看護師 看護部
    佐藤 久美
  • がん化学療法看護認定看護師
    外来 後藤 順子
  • 緩和ケア認定看護師
    緩和ケア病棟 嶋田 千春
  • 6階病棟 看護師
    望月 大地
ボックス背景下
高野純子顔写真
がん看護専門看護師 緩和ケア病棟 副師長
高野 純子

Q1 現在の仕事について
A1 私は、緩和ケア病棟に所属し、2018年にがん看護専門看護師資格を取得しました。当院の緩和ケア病棟は19床あり、医師、看護師、看護補助者、薬剤師、理学療法士、MSW、管理栄養士などによる多職種チームで、がん患者様、ご家族へのケアを提供させていただいています。心身の症状マネジメントや看取りケアなどを実践する中で、終末期における輸液や摂食、鎮静に関わる倫理的問題に向き合いながら、患者様、ご家族の価値観を尊重するケアを如何に実践できるかを考え、行動しています。
 また、がん看護専門看護師として、日々の臨床の中で、相談やコンサルテーション、専門知識や態度に関する系統的な看護師教育プログラムを組んで病棟内の教育者の育成も兼ねながら実践しています。また、緩和ケアには、一般病棟で提供する基本的緩和ケアと、緩和ケア病棟や緩和ケアチーム、在宅緩和ケアで提供する専門的緩和ケアがあります。緩和ケア病棟は専門的緩和ケアを担う部署であると同時に、専門的緩和ケアに関して一般病棟へむけて情報発信できる部署であると私は考えています。緩和ケアチームのがん看護専門看護師や認定看護師とも連携し、エビデンスと臨床知に基づいた専門知識や技術を院内教育へ活かす役割を担い、院内の緩和ケアの質の向上へ貢献することを目指しています。
 院外活動については、関連学会・団体での委員会活動を通して、国内の緩和ケアに関する看護師教育に携わっています。また、緩和ケアに関する研究活動も、施設や緩和ケア病棟の枠を超えたアカデミックなネットワークで継続して行っており、学会発表などにも努めています。
Q2 やりがいについて
A2 緩和ケアの分野で、20年の看護・教育経験を積んできました。その中で、大きな不安に襲われていた患者様が安堵の表情を浮かべたときなど、こちらもほっとした気持ちになります。エンド・オブ・ライフ期の苦悩の只中にいる患者様・ご家族と向き合うことに、困難さと同時に、やりがいを感じているからこそ、看護を続けているのだと思います。また、苦悩に揺れる患者様やご家族へのケアを行ううえで、多職種が、それぞれの専門性を発揮しながら問題を共有してケア方法を考えていくことが、緩和ケアの魅力ではないかと考えています。そのために、がん看護専門看護師として、緩和ケア病棟のチームビルディングや病棟内外の連携を高めるシステム作りに貢献していくことが新たなやりがいにもなるだろうと考えています。
Q3 メッセージ
A3 20代のときに、自分探しのため、東南アジアやオセアニアを旅しました。オーストラリアでは、偶然、ホスピスでボランティアができる機会に恵まれ、そのときの経験が緩和ケアにハマったきっかけです。帰国後、大学に編入学し、卒業後は緩和ケアの分野で働き続けました。18年後に、再び奮起して大学院を受験し、卒業後に現資格を取得できました。多くの方々の助けがなければできませんでしたが、自分のありようを思し描いて行動を起せば、何歳になっても実現可能ではないかと思っています。

林ゑり子顔写真
がん看護専門看護師
林 ゑり子

Q1 現在の仕事について
A1 がんは、「診断期」「治療期」「再発期」「終末期」など、個々によって様々な時期があります。また、がん医療は、高度化し、看護に関しても専門的知識や技術が要求されるようになってきています。がん医療に関わる患者さんや家族の方々が、安心して治療やケアが受けられるように、がん看護専門看護師の役割として、看護実践、医療者からの相談、チーム医療の中で他職種と協働を目指した調整活動、倫理調整、教育、研究活動の6つの役割を果たす必要があります。
 当院において私は、病棟・外来などという部署に配置されるのではなく、病院内を横断的に活動できるようなポジションで活動しています。特に、化学療法・緩和ケアを受ける患者様を対象とした身体的・精神的・社会的苦痛からのコンサルテーションや、がん医療に関する院内・院外の教育活動を行うことでより質の高い看護の提供を目指しています。
 最近では、地域包括ケアシステムの構築に向けて、近隣の訪問看護ステーション、居宅介護事業所、在宅療養支援診療所などの地域の医療・介護・福祉に携わる方々との連携を図るよう、外来通院、在宅緩和ケア、専門的緩和ケアとしての緩和ケア病棟にシームレスな関わりを支援するよう、緩和ケアチームとして連携の窓口になったり、緩和ケア研修会など交流できる場を調整したりしています。その他、一般市民への緩和ケア啓発活動として市民公開講座や相談できる人材資源としてご活用頂いております。

Q2 やりがいや夢について
A2 専門看護師は、教育・研究活動を行う役割があります。教育は、7つの柱で、活動しています。1)看護師対象、2)院内全体、3)職種関係なく臨床実践者、4)近隣の医療従事者、5)一般市民、6)認定・専門看護師教育、7)がん関連の各学会や協会、各々に効果的な啓発、教育について日々考え悩むことがあります。しかし、そのような悩みも一緒に学ぶ仲間から、「患者様に役立ったよ」「患者様が緩和されたよ」とか「知ってよかった」など、お役に立てたと感じた時、他者から喜ばれた時こそが私の幸せだと感じます。
 さらに、臨床研究活動について、現場で行われている良いケアや看護の有効性を証明することは、難しいです。いろいろなことで、それを証明できる人も限られているような気もしています。
 臨床現場のケアや看護の有効性を証明するには、知識と労力、能力も伴いますが、これまでの教育課程の中で培われてきた知識や知恵を財産に、もうしばらくはチャレンジしていきたいと思います。
 いつの日か有効性が証明できると信じ、その日に向かっていく、そのようなチャレンジ魂は、目標となり、やりがいにも夢にもなると信じております。

吉田友美顔写真
救急看護認定看護師 ICU師長
吉田 友美

Q1 現在の仕事について
A1 “救急”と聴いて、皆様はどのような場面や患者さんを思い浮かべますでしょうか。救急を受診する患者さんは「急に痛くなった」「息が苦しい」「血が出た」「怪我をした」…など、予期せず突発的に起きた苦痛に対し、頼りにして治癒する希望をもって受診されるのであろうと考えます。
 救急医療は、そのような患者さんに対しとにかく24時間いつでも、身体症状の苦痛、それに伴う精神的な不安、さらにそのような患者さんを目の当たりにして同じように不安や焦燥を感じている家族に対し、迅速かつ的確に救命、機能維持、整容を目指すことが求められます。
 救急看護は「突発的な外傷、急性疾患、慢性疾患の急性増悪などのさまざまな状況によって、救急処置が必要な対象に実施される看護活動。」とされています。従って救急看護師には「疾病、外傷、脳血管障害、中毒などの多種多様な疾病・外傷を有したあらゆるライフステージの患者とその家族に対処する看護を行う」ことが求められます。
 藤沢湘南台病院は基本方針として「24時間断らない救急医療」、法人目標として「24時間迅速急性期医療と専門性を持つ医療の充実」を掲げています。藤沢市北部及び隣接市区町、湘南東部二次医療圏において、当院の救急医療・集中医療が果たすべき役割は極めて重要であると常に考えています。
 現在私はICUで副師長として勤務しています。救急看護認定看護師、ICU副師長として救急・集中治療・看護の質向上のため、ICUの充実・強化を主軸に、救急外来、急性期一般病棟等各部署とも連携を図り救急看護、入院患者急変兆候の早期発見と対応、急変対応スキルの向上等についてスタッフと協働して日々取り組んでいます。
Q2 やりがいについて
A2 来院時やICU入室時、重症・重篤であった患者さんが回復し退院したことを聞いたり、ICUに寄って挨拶にいらしていただいたときは、やりがいや喜ぴを感じます。ICUという超急性期の部署では回復し生活を取り戻している患者さんの姿を目の当たりにする機会が少ないので、そのような機会を得ることはモチベーションの維持につながります。
 当院ICUはまだ設立3年目と日が浅く、これからスタッフ全員で‘‘創り上げていく"過程にある部署です。そのため各スタッフの積極的な意見やアイデアが必要なのですが、各スタッフが出した業務改善案、学習プラン等様々なアイデアや取り組みが形になった時は、やはり嬉しく思います。勿論、自身の救急看護認定看護師としての知識、技術、経験等は今後も余すことなく伝えたいと考えていますが、スタッフ各自が自分で考え取り組む過程で成長する姿は頼もしく思います。
 また、他病棟や部署からBLS・ACLS等救急蘇生の勉強会、シミュレーションや勉強会開催の依頼を受けることは、認定看護師の役割であるリソースナースとして認知されているという実感とともに、より良い内容にするための自己学習やスキル維持・向上の機会を得ることができ、非常にやりがいを感じます。今後も遠慮なく相談・依頼をしていただきたいと思っています。
Q3 その他、エピソード、夢、学生へのメッセージなど
A3 夢はたくさんありますが、これからもICUや救急が“スタッフ皆で創り上げていく"部署であり続けることは、私の大切な目標であり‘‘夢"であると思います。個人的には、後輩と呼べるような認定看護師が1人でも多く増えるといいなと思っています。育成といってはおこがましいですが、そのような意欲のあるスタッフを多く育て、支援を続けていきたいと考えています。
 読んでいただいている看護学生の皆様には、私が昔から好んでいる言葉をお贈りします。「The life is too short to cry, long enough to try (人生は泣いているには短すぎる、トライする時間は十分にある)」。好きな歌の一節なのですが、看護学生の時や新人の頃など悩んだり辛いときはよく思い浮かべたりしていました。大変なこともあるでしょうが、自分の可能性を信じて、突き進んでいただきたいと思います。いつの日か一緒に働けることを楽しみにお待ち致しております。

三橋由貴顔写真
がん化学療法看護認定看護師 兼 外来副師長
三橋 由貴

Q1 現在の仕事について
A1 がん化学療法看護認定看護師として外来化学療法室で勤務しています。患者さんが癌と向き合い、抗がん剤による辛い副作用とうまく付き合いながら予定された治療を終えること(完遂)できるように支援しています。
 認定看護医師の活動では、スタッフからがん化学療法看護に関する相談を受け、問題解決に向けて一緒に考えています。またがん看護専門看護師とともにがん看護に関する研修会「がん看護ラダー研修」を実施し、スタッフひとりひとりが質の高いがん看護が実施できるようにサポートしています。

Q2 印象に残っているエピソードは?
A2 肺癌で外来化学療法を受けていたAさんが、骨転移による痛みで歩行が困難となり入院しました。ご本人は早く退院して化学療法を続けたい思いがあったのでリハビリを導入して筋力低下を防ぎ、栄養バランスを整えるために栄養士が介入しました。痛みのコントロールには緩和ケアチームが介入し、自宅の療養環境を整える為にはMSWが動いていました。
 病棟へ訪問した際Aさんは次のように話されました。「ここでは色んな人が動いてくれるから私は何も心配しないでお任せしておけばいいのね。こんな安心できる病院なんてないわ、ここに来て本当に良かった。退院したらまた化学療法室に行くからお願いね。」
 当院でのチーム医療が発揮され、患者さんの安心に繋がっていると感じとても嬉しく思いました。私もチームの一員として治療の場をしっかり支えようと改めて感じたエピソードです。

Q3 どんなところにやりがいを感じるか?/大事にしていることは?
A3 外来化学療法室では可能な限り、患者さんの話をゆっくり聞くことを大切にしています。それは治療や病気のことだけではなく、世間話のような他愛もない話でも同じです。ある患者さんは夫を数年前に癌で亡くしました。子どもはいないので今は一人暮らしをしています。抗がん剤治療の時はずっと、最近の出来事や、夫を看取った時の話など終始おしゃべりをされている方でした。
 ある日、治療が終わって帰る時「いつもたくさん聞いてくれてありがとう。ここに来るといっぱいしゃべってスッキリして元気をもらって帰ることができるの。だから看護師さんに話を聞いてもらうのはお薬と一緒ね」と話して下さいました。
 看護師は患者さんの一番近い存在で、気持ちに寄り添いながら話を聞くだけでも患者さんの安心感につながっているのだと実感しました。これは看護師が得意とするスキルだと思ってこれからも続けていきたいと思っています。

高野純子顔写真
緩和ケア認定看護師 外来
平本 華恵

Q1 現在の仕事について
A1 私は現在、外来所属で主に外来化学療法室で働いています。外来化学療法室では、抗癌剤を正確に安全に投与するだけでなく、セルフケア支援や精神的支援、意思決定支援等も大切な看護師の役割です。がん化学療法看護認定看護師と他のスタッフと協力し、それぞれの得意分野を活かし、倫理的側面に配慮しながら、より質の高い看護を目指し日々実践しています。私は緩和ケア認定看護師として、疼痛緩和のマネージメントや消化器症状、呼吸器症状等の身体的苦痛症状緩和の為の介入を始め、治療の辛さや病状悪化への不安等精神的苦痛や、自分の存在価値や自責の念、不平等感といった霊的苦痛への支援、経済的問題や病状進行に伴う家族役割の変化といった社会的苦痛等、全人的苦痛を捉えた苦痛緩和の為の支援を行っています。また、治療方針の選択や積極的抗癌剤治療をいつまで続けるかの決定や、終末期の療養の場の選択など、意思決定支援において果たす看護師の役割は重要であると考え介入を行っています。
Q2 やりがいについて
A2 私が看護において日頃から大切にしている事は、患者さんと信頼関係を築き、患者さんが辛い時に寄り添える存在であることを患者さんに感じてもらえるようにすることです。病状が深刻な患者さんも多く、死に対する恐怖や霊的苦痛を表出してくれる患者さんもいます。ベッドサイドに寄り添って傾聴し、共感する過程で、自分も涙が出そうになったり、心が動くのを感じることがあります。そういった時は、患者さんとの相互作用により、患者さんも少し気持ちが楽になったような表情をされたり、自然に涙を流されたり、「辛い気持ちを聞いてくれてありがとう。話せて少し楽になりました。」とストレートに言葉を返してくれる患者さんもいます。精神的辛さを傾聴し寄り添うことで、目には見えなくても、自分の介入によって何らか患者さんが少しでも良い方向に変化したのを感じられた時、看護師をしていてよかったなとやりがいを感じます。自分に話してくれたことは本当にありがたいと感じ、患者さんに対する尊敬の念と感謝の気持ちが生まれます。同世代の患者さんの死や予期せぬ患者さんの死を経験することも多く辛くなったり、悔しさが残ることもあります。しかしそれ以上に、日々の看護の中で患者さんから学ばせてもらう事は本当に多く、学びを次に活かしたいという想いが、看護師を続ける原動力になっているのだと思います。
Q3 学生へメッセージなど
A3 当院には、看護師の仕事に誇りを持ち、少しでも患者さんが良い方向に向かうようにと日々奮闘しているスタッフ達がいるエネルギーに溢れた職場です。院内の研修制度も充実しており、働きながら専門性を磨くことが出来ます。是非、私たちと一緒に働きませんか。

高野純子顔写真
感染管理認定看護師 看護部
佐藤 久美

Q1 現在の仕事について
A1 一般的に感染管理認定看護師は ICN(Infection Control Nurse の略)と呼ばれています。感染管理業務のベースはサーベイランスと感染管理システムの構築です。サーベイランスはその施設(または地域)における感染数のカウントや分析で、「見守る」仕事です。また感染管理システムの構築は、施設の特徴を踏まえた感染対策指針、組織体制、マニュアルなどの土台作りで、「支える」仕事です。
 「見守る」業務と「支える」業務は、まず施設(または地域)の特徴を捉えることからはじまります。そのためには部門や職種を超えた横断的な活動が必要です。たとえば環境整備を考える上では、空調などの設備を担当する部門、清掃や廃棄物を担当する部門や委託業者さんなどとの協働が考えられます。感染管理の仕事には協働、「仲間」が不可欠です。
 またサーベイランスで得た数値で効果を測定することも可能です。 「口を対策したら△の感染率が○%減少した」という評価ができます。 数値での評価は具体的でより共通認識を得やすいデータとなります。そのデータを現場にフィードバックし、今後に繋げることも重要な役割となります。
 そのような日々の活動を通じて、感染対策の輪が広がり、施設(または地域)の感染対策を着実なものにしていきたいと考えております。
  Q2 やりがいについて
A2 今日の感染対策の方向性としては、耐性菌や COVID-19 をはじめとするクラスターの問題などから、地域ぐるみの対策が必要とされています。 ICN活動は、施設で活動していく中で地域との繋がりも生まれ、地域における感染対策にも貢献できる可能性があるところに大きなやりがいを感じています。
Q3 エピソード
A3 近年、自然災害や COVID-19 など未曽有の脅威が続いております。 災害時においても避難所生活や要配慮者、 特に高齢者への感染対策は重要な問題です。超高齢化社会の中で高齢者対策と防災と感染対策は三位一体であると強く感じ、ICN 活動をおこなう中で、地域での防災委員や民生委員を担当するようになりました。
 ICN 活動のフィールドが施設から地域に変わっても活動の基本軸の「見守る」「支える」「仲間」は不変であるとあらためて気づきました。 ICN 冥利に尽きます。

後藤順子顔写真
がん化学療法看護認定看護師 外来
後藤 順子

Q1 現在の仕事について
A1 外来に所属し、主に外来化学療法室に勤務しています。がん患者さんの抗悪性腫瘍薬による治療だけでなく、炎症性腸疾患患者さんの生物学的製剤による治療が安全かつ確実に行われるように実践しています。
 抗悪性腫瘍薬による治療に対する看護では安全かつ確実な投与管理と有害事象の管理、精神面・心理面への支援が求められます。特に外来化学療法を受けられる方は、入院中と異なり治療中以外の時間を自宅など病院の外で過ごすことになります。そのため、日常生活を送りながら患者さん自身が有害事象に対するセルフケアが行えるように支援しています。
Q2 印象に残っているエピソード、やりがいについて
A2 化学療法看護で私が大切にしていることは、患者さんがその人らしく生活を送りながら治療を受けられるように支援することです。ADL(日常生活動作)は自立している90代後半の方が、外来化学療法を受けることになりました。ADLが低下することなく治療が完遂できるように、ご家族のサポートを得ながらスタッフと支援し、合併症を起こすことなくADLを維持したまま治療を完遂することができました。外来通院時に笑顔をみせてくださったときはとても嬉しかったのを覚えています。
 化学療法看護では患者さんの一番近くにいる看護師のアセスメントや看護が有害事象の管理や治療継続への意欲に繋がると感じています。これらの多くのことを経験させて頂いたことが私のやりがいとなっています。
Q3 夢、学生さんへのメッセージ等
A3 今は2人に1人ががんになるといわれています。しかし、がんの治療というと薬は複雑で難しい、危険な薬剤で怖い、副作用が辛そうなどのイメージがあると思います。化学療法では看護師だけでなく薬剤師など多職種とも協働し、医療者の安全管理にも努めています。また、有害事象を最小限にできるようにそれぞれの職種の専門性を活かし、患者さんを支援しています。
 これからも患者さん一人ひとりの背景を大切にした化学療法看護をしていきたいと思っています。また、化学療法看護を学びたい学生さんやスタッフとも共に成長していきたいと思っています。

嶋田千春顔写真
緩和ケア認定看護師 緩和ケア病棟
嶋田 千春

Q1 現在の仕事について
A1 私は、現在緩和ケア病棟で勤務をしています。がんの積極的治療から、様々な苦痛を取り除くことができ、患者さんとそのご家族が大切にされている時間を過ごすことができるよう様々な職種と協力して支援しています。
 緩和ケア認定看護師として、今まで集学的治療を行う病院での勤務、がん相談支援室での勤務を経験したことで、緩和ケア病棟に入院される患者さんとそのご家族が歩んできた治療期の道のりを想像することができます。お一人お一人が歩んできた人生や、価値観を理解したい気持ちを常に持ち続けケアを提供しています。
Q2 やりがいについて
A2 入院されている患者さんとの関わりの中で、笑顔になり、時として一緒に声を出して笑うことがあります。ケアが終わり、私の汗をティッシュで拭いてくださる患者さんもおられました。お互い、何も言わずとも笑顔になれます。短い時間でも、その場や想いを共有できること、その安堵感がとても幸せな気持ちになります。その積み重ねが私の看護のやりがいとなっています。
Q3 学生へのメッセージ
A3 看護師1年目の時に、未告知のがん患者さんと出会いました。もう20年以上前のことです。口数の少ない、どちらかといえば少し近寄りがたいかたで、何を話していいか分からず焦っていた記憶がよみがえります。晴れたいい天気の日で、私は「仕事をしているのがもったいないです」と伝えると、少し沈黙の後に「働けることはいいことだよ」と涙を流しておっしゃいました。1年目の私は、その涙に動揺したのと同時に未告知であるが、この方はご自分のことをわかっておられるのだなと感じました。この患者さんとの関わりが、緩和ケア認定看護師の取得を目指したきっかけです。関わりとしては、数十分の出来事ですが、自分が理解したいという気持ちがあればきっとどんなことでもきっかけは作られるのだなと思っています。

望月大地顔写真
6階病棟 看護師
望月 大地

Q1 現在の仕事について
A1 現在6階病棟に勤めています。
 当病棟は消化器外科、泌尿器外科、呼吸器外科、大腸肛門科等の混合病棟です。日々、手術をされる患者様や抗がん剤を行う患者様、終末期にある患者様などさまざまな患者様と関わりながら看護を行なっています。急性期病棟である為、患者様の入退院の入れ替わりが多く、日々多忙な業務を行なっていますが、多くの学びを患者様から頂き、とてもやりがいを感じています。
Q2 心掛けていることは?
A2 看護を行ううえで心掛けていることは、患者様の今出来ていることを活かすことです。例えば、清拭でも拭けるところは自分で拭いていただく。着替えや移乗動作も、ご自身で行なえるところは、できるだけ患者様に行なっていただくようにしています。そうすることで、清拭一つでもリハビリの一環となり、より患者様のADL向上につながり、患者様のQOLの維持・向上になると思うからです。
  また、私は男性なので、着替えは男性の私でよいのかなど、よりプライバシーへの配慮には気を付けています。