泌尿器科

 
 
  泌尿器科について
      
 
  尿道狭窄 最新の治療

  • 概要・特色

  • 外来診療予定・医師のご案内

泌尿器科について

泌尿器科は、腎、尿管、膀胱、尿道といった尿路と精巣、前立腺をはじめとした男性生殖器の疾患を扱っています。

当科で扱う症状として、排尿・蓄尿に関する症状(尿が出にくい、もれる、回数が多い、尿が赤い、排尿する時痛い)、 背部痛、下腹部痛、陰部の異常などがあります。このような症状が気になりましたら泌尿器科を受診してください。

対象疾患

尿路性器腫瘍(腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌など)

排尿・蓄尿障害(前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄症、尿失禁、過活動膀胱)

尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石)

尿路性器感染症(腎盂腎炎、前立腺炎、膀胱炎、精巣上体炎)

特色

当院では一般的な泌尿器手術を広く行っていますが、以下のような特色を持ち合わせています。

①尿道形成術

尿道狭窄症は従来、尿道から挿入した内視鏡やブジ―などの器具を用いて拡張する治療を行ってきましたが、 再発率が非常に高いことが知られています。そのため、近年では、より治療効果の高い尿道形成術を早期に行うべきであるとされています。 尿道形成術を取り扱っている施設は非常に少ないですが、当院は2022年度からこの手術を開始し、2023年度から本格的に開始しております。 口腔粘膜などの代用組織を用いた尿道形成術も施行可能です。尿道狭窄症でお困りの方は、水曜日もしくは第2第4土曜日の午前中の外来へお越しください。

尿道形成術に関する患者様向けの情報もご参照下さい。

当院Youtube①: https://www.youtube.com/watch?v=Wajm5y4cQtw

当院Youtube②: https://youtu.be/kC5Rp7TuykM

当院広報誌: http://www.fj-shonandai.jp/pdf/magazine/160.pdf

堀口明男Official Site: https://square.umin.ac.jp/impreza/

②尿路結石症治療

当院は尿路結石症の外科的治療に注力しています。治療方針は、日本泌尿器科学会らによる「尿路結石症診療ガイドライン」を参考に、 各患者様固有の事情も考慮して検討しています。自然に排石しない尿路結石については、通常、体外衝撃波結石砕石術(ESWL)や経尿道的尿路結石砕石術(TUL)などを行いますが、 20mm以上の大きな結石や何らかの原因で尿道からの手術が難しいと考えられる患者さんに対しては腎臓へ直接内視鏡を挿入し手術を行うことがあります(経皮的尿路結石砕石術:PNL/ECIRS)。 非常にまれではありますが、尿管狭窄が合併してしまっている症例では、腹腔鏡下に尿管と結石を切除し吻合する術式を行うことがあります。 当院では、このような尿路結石症の主要な術式すべてに対応可能です。

尿路結石症の治療に関する患者様向けの情報もご参照下さい。

当院Youtube①: ESWL

当院Youtube②: TUL

当院Youtube③: ECIRS

③経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL)

従来の前立腺肥大症に対する外科的治療としては、尿道から挿入した内視鏡と電気メスまたはレーザーにより、 肥大した腺腫を切除、核出または蒸散して尿道を拡張してきました。PULは、前立腺を吊り上げるインプラント(テレフレックス社:UroLift®システム)を埋め込むことで尿道を拡張します。 この術式は2022年4月に保険収載となりました。従来の方法と比較して、より安全かつ短時間、短い入院期間で施行可能です。 特に、従来の方法では高率に発生した射精障害などの性機能障害が、PULでは起こりにくいとされ、諸外国では標準的術式となりつつあります。当院では2023年度より本術式を導入しています。

Teleflex社による説明資料です。:PDF

Teleflex社によるPULのイメージ動画です。:https://youtu.be/6A5lXniLJhA

④人工尿道括約筋植込術

前立腺手術(前立腺全摘除術、経尿道的前立腺切除術など)や新膀胱造設術、事故などによる括約筋機能不全で、尿失禁にお困りの方のための手術です。Boston Scientific社のAMS800というインプラントを、会陰部と下腹部から植え込む手術です。2012年から保険適応手術となりましたが、この手術を取り扱っている施設はまだ多くはありません。当院は2023年度から本格的に開始しております。術後尿失禁でお困りの方は、水曜日もしくは第2第4土曜日の午前中の外来へお越しください。人工尿道括約筋に関する患者様向けの情報もご参照下さい。

当院Youtube: https://youtu.be/NknbtywT0YE

Boston Scientific社: https://aus-info.com/

⑤手術支援ロボット(Da Vinci)

前立腺癌に対し行われる前立腺全摘除術は、2012年から手術支援ロボットによる手術が保険診療として認可されました。当院では2019年より手術支援ロボットDa Vinci Xを導入しております。ロボット支援手術を安全に行うため、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会はプロクター(手術指導者)制度を導入していますが、当院には2名のプロクターが常勤で在籍しております。

治療指針

尿道狭窄症
狭窄の部位と程度によって尿道形成術か経尿道的な治療を決定します。尿道形成術では口腔粘膜などの代用組織を用いた手術をすることがあります。
尿路結石
日本泌尿器科学会らの「尿路結石診療ガイドライン」を参考にし、各患者様固有の因子を考慮したうえで治療を相談していきます。当院は、ESWL、TUL、PNL/ECIRS、TULB、腹腔鏡下尿管切石といった、尿路結石の主要な術式をすべて行うことが可能です。
前立腺肥大症
薬物療法もしくは内視鏡手術(PULもしくはTURP)を行います。
前立腺癌
前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAが高値の患者様を対象に、入院で麻酔下に前立腺生検をして診断します。がんが確定した場合には、進行程度、年齢、ご本人の希望も取り入れ治療を決定します。手術を希望された場合は、手術支援ロボット Da Vinciを用いた手術を施行しています。小線源療法、放射線治療を希望された場合は近隣の専門病院へ紹介しています。
膀胱癌
尿道からの内視鏡手術(TURBT)で治療します。上皮内癌、再発の危険性が高い場合はBCG注入療法を施行します。進行癌の場合は抗がん剤治療、膀胱全摘、尿路変更などを行うことがあります。
腎癌
腎癌に対しては原則として腹腔鏡手術を施行しています。

設備

  • 手術支援ロボット ダヴィンチ(2019年度導入)
  • 尿検査(一般、細胞診、培養)、各種血液検査、精液検査
  • 3次元CT、MRI、エコー(ドップラー)検査
  • レントゲン検査、尿流測定、膀胱尿道鏡、ESWL(結石砕石)

症例実績

項目 2021年度 2022年度 2023年度
膀胱全摘除術 1   3   2  
回腸導管造設 0   1   2  
前立腺全摘除術(開腹) 0   0   0  
前立腺全摘除術(ロボット支援下) 33   26   22  
副腎ラパロ 1   0   2  
膀胱部分切除術 0   0   0  
腎部分切除術(開腹) 0   0   0  
腎全摘除術(開腹) 0   1   0  
鏡視下手術(腎摘除術) 0   0   0  
鏡視下腎尿管全摘除術 6   5   7  
経尿道的膀胱腫瘍切除・生検術(TUR-BT) 85   82   70  
経皮的前立腺切除術(TUR-P) 13   19   24  
経尿道的前立腺吊り上げ術 0   0   7  
経皮的尿管結石破砕術(TUL) 35   40   55  
経尿道的膀胱結石破砕術 15   6   10  
経尿道的膀胱止血術 3   4   0  
内尿道切開術 1   0   11  
前立腺針生検 156   193   124  
経皮的尿路結石除去術(PNL) 0   0   0  
経皮的尿路結石除去術併用TUL(ECILS) 0   0   20  
陰嚢水腫根治術 3   6   5  
高位精巣摘除 0   1   0  
精巣摘除術 5   6   10  
包茎手術 3   6   10  
経尿道的尿管生検 5   1   0  
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) 46   28   45  
陰部小手術 2   3   0  
人工尿道括約筋手術 0   0   2  
尿道形成術 0   0   34  
尿管ステント挿入 6   2   21  
腎瘻造設術 0   0   10  
陰茎全摘術 0   0   1  
膀胱瘻造設術 0   0   10  
上部尿路腫瘍レーザー手術 0   0   0  
その他 5   6   0  
424   439   504  

外来診療予定

入院の診療体制

基本的にグループ制で診療していますが、病状説明は外来の主治医が施行するようにしており、 退院後の外来も入約した医師が引き続き診るようにし、外来、入院、外来と一貫した診療ができるようにしています。

手術

手術日は毎週月曜日と奇数週の金曜日の午後に行っていますが、状況により火曜日午前中、水曜日午後に施行する場合もあります。

担当医のご紹介