消化器内科では、潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患、胃・肝臓・胆道・膵臓の消化器疾患全般にわたる診療を行っています。今年の診断群分類別患者数では、小腸大腸の良性疾患に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多く、431件に上りました。胆管結石や胆管炎に対する治療は161件でした。結腸の悪性腫瘍に対する早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術は97件、胃の悪性腫瘍に対する内視鏡手術も51件行われており、いずれも高い水準の医療を提供しています。また、平均在院日数は短縮傾向にあり、患者様に対する早期退院支援の成果が表れています。

循環器内科では、急性心筋梗塞・狭心症といった動脈硬化性心疾患、心筋症・心臓弁膜症、心不全、不整脈などの疾患に対して幅広い診療を行っています。狭心症や虚血性心疾患に対し経皮的冠動脈形成術も去年度と引き続き多くの治療を行っています。虚血性心疾患に関連した検査目的の入院も行っています。頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションも47件実施され、安定した治療実績を上げています。

外科は引き続き大腸肛門外科を中心に、一般外科、消化器外科、呼吸器外科、甲状腺外科、乳腺外科などの広範な領域で外科治療と救急診療を行っています。当院は、日本外科学会外科専門医制度指定修練施設、日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設、日本大腸肛門病学会認定施設など、複数の学会に認定されており、各専門医が高度な医療を提供しています。今年の診断群分類別患者数実績では、直腸脱・肛門脱に対する手術が327件で最も多く、また痔瘻に対する手術も216件と多くの症例を扱っています。鼠径ヘルニア手術は69件、腹腔鏡下胆嚢摘出術を含む胆嚢炎治療は64件行われ、いずれも高い水準の手術実績を誇ります。肛門周囲膿瘍に対する手術も49件と比較的多く見られ、特に直腸脱や肛門脱、痔瘻などの症例に関しては、全国的に見ても有数の症例数を誇っています。

整形外科では、スポーツ障害と骨折・加齢疾患を中心に診療を行っています。肘・膝に対する手術は計314件、特に若年層のスポーツ障害が多く、平均年齢は低い傾向があります。一方で、大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術は137件、高齢者が多く、平均年齢は83.89歳となっています。在院日数が長いものの、術後リハビリを含めた一貫した治療により、早期回復を目指しています。

泌尿器科では、尿路結石や膀胱腫瘍などの診療を中心に行っています。上部尿路疾患に対する経尿道的尿路結石除去術や体外衝撃波腎・尿管結石破砕術が行われ、実績はそれぞれ53件と33件です。また、膀胱腫瘍の手術も実施されており、41件の手術が行われました。腎臓や尿路の感染症に対する治療も行い、患者の状態に応じた専門的な治療を提供しています。

脳神経外科では、脳梗塞や頭蓋内損傷、外傷性硬膜下血腫などに対する治療を中心に行っています。脳梗塞患者の平均在院日数は31.19日と長めですが、転院率は12.5%に留まっています。また、脳動脈瘤に対する手術も実施されおり、緊急性がある症例に対し適切な治療を行っています。

眼科では、白内障手術が最も多く、片眼の手術患者数は434人、両眼の手術患者数は66人に上ります。黄斑変性に対する手術も行われており、手術実績は堅調です。さらに、硝子体疾患の手術にも対応しており、様々な眼疾患に対して幅広く治療を行っています。平均在院日数は全体的に短く、早期退院に努めています。

形成外科では、眼瞼下垂に対する手術が20件行われ、平均在院日数は3.7日で、高齢患者が多く、平均年齢は74.85歳でした。また、骨軟部の良性腫瘍に対する手術も行われ、平均在院日数はやや長めですが、全体的に安定した治療実績を上げています。

内分泌代謝科では、主に2型糖尿病の患者を対象に積極的な治療を行っています。特に手術・処置等を伴う糖尿病患者の入院が多く、49名が治療を受けました。1型糖尿病や糖尿病性ケトアシドーシスの症例にも対応しており、合併症のリスクがある患者への管理も強化しています。

当院の内視鏡治療では、大腸ポリープ切除術や早期悪性腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）を多く実施しており、内視鏡的大腸ポリープ切除術の患者数は合計439名となっています。特に2cm未満のポリープに対する治療が中心で、術後の平均在院日数は1日と短く、早期退院が可能です。また、内視鏡的胆道ステント留置術も対応しており内視鏡的治療が充実しています。

循環器科において経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的カテーテル心筋焼灼術などのカテーテル治療を積極的に行っています。特に経皮的冠動脈ステント留置術では、76名の患者に対し治療を行い、平均術後日数は3.16日と短期間での退院が可能です。また、心房中隔穿刺を伴う経皮的カテーテル心筋焼灼術も40名に実施され、平均在院日数は2日程度と、迅速な治療を行っています。

外科では、痔核手術や痔瘻根治手術が多数実施されており、213名に対して痔瘻根治手術が行われました。肛門形成手術や痔核手術についても高い実績を維持しています。さらに、腹腔鏡下胆嚢摘出術や腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術も積極的に行っており、患者さんへの負担を最小限に抑える低侵襲手術を提供しています。平均術後日数は3.41日と短く、スムーズな回復が図られています。

整形外科では、関節鏡を使用した靱帯断裂形成手術や半月板切除術が多く実施されており、特に十字靱帯断裂形成手術は146件、半月板切除術は124件と高い実績を誇っています。さらに、骨折に対する観血的手術も多く行われており、肩甲骨や上腕、大腿部の手術は119件実施されました。特に高齢者に対する人工関節置換術は、肩・股・膝の手術で87件の実績があり、術後の回復も順調で、平均術後日数は27.03日となっています。

泌尿器科では膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的切除術が最も多く行われ、61件の実績があります。また、前立腺悪性腫瘍に対して腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を25件と多く実施しており、その全てが手術支援ロボットで行われています。手術支援ロボットでの治療により患者さん身体的負担を軽減しの早期回復を目指しています。

脳神経外科では、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多く行われており、13件の実績があります。患者の平均年齢は82.15歳と高齢者が多く、術後の平均在院日数は20.92日となっています。また、脳動脈瘤に対する手術として、脳動脈瘤被包術および頸部クリッピング術をそれぞれ1件ずつ実施し、開頭して行う脳内血腫除去術も1件行われました。

眼科では白内障に対する水晶体再建術が最も多く行われ、486件の実績があります。患者の平均年齢は76.76歳で、術後の平均在院日数は1.41日と短期での回復が見込まれています。また、糖尿病網膜症や網膜剥離などの網膜硝子体疾患に対して、硝子体茎顕微鏡下離断術や硝子体切除術も行っており、これらの手術も安定して実施されています。

形成外科では眼瞼下垂手術を筆頭に、皮下腫瘍摘出術、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術、涙管チューブ挿入術、など多種多様な手術を行っています。他院からの紹介も多く、眼瞼下垂手術では入院して手術を行っているため安心感のある治療の提供を行っています。